今年も梅雨の時期が近づいて来ました。気象庁では令和6年関東甲信の梅雨入りは6月7日ごろ、梅雨明けは7月19日ごろと予想されています。雨の日のお出かけで衣類が濡れるのを防ぎ、また汚れがしみこむのを防ぐはっ水加工がおすすめです。

はっ水加工とは

はっ水とは、水が繊維表面で玉状にはじき転がり、繊維が濡れない状態です。はっ水加工とは、繊維表面をはっ水性の樹脂でコーティングして、繊維表面が水分子を引っ張る力(表面張力)を低下させる加工です。はっ水加工をすると、繊維が水を引っ張る力より、水分子同士の引き合う力(水の表面張力)の方が大きいため、水分子同士が引き合って玉状に「はじかれた」状態になり、繊維が濡れ難くなります。しかし、防水加工とは異なり、布目の隙間はふさがれないため、空気や蒸気は布面を通り抜けますので、蒸れにくい性質があります。

 はっ水加工と防水加工の違い

メリット デメリット
防水加工

ゴムや合成樹脂で生地の表面全体をコーティング

◎水の侵入を防ぐ

◎効果が長く続く

◎通気性・透湿性が悪く蒸れやすい

はっ水ガード加工(ポニークリー二ングの場合)

繊維1本1本をコーティング

◎生地の隙間をふさがないので通気性・透湿性がある(ムレなどの不快感がない)

防汚効果 水だけでなく油を含む食べこぼしなども染み込まず汚れてもクリー二ングで落としすい

◎クリーニング店で預けると多少の時間がかかる

◎強い雨の場合には、生地の隙間から水が浸みてくることがあり、完全防水ではない

◎洗濯や着用時の摩擦によって、はっ水機能が低下する

はっ水加工をお勧めするアイテム

✅ダウン・コートなどのアウター✅スポーツウエア・スキーウエアスーツ✅スーツ・制服スカート✅ネクタイ

はっ水加工を避けたいアイテム

✅ニット・セーター✅肌に触れる衣服

ニットやセーターははっ水加工によって生地の風合いが損なわれる場合があります。ワイシャツやTシャツ、ブラウスなど直接肌に触れる衣服にはっ水加工してしまうと、汗を吸水しなくなってしまいます。そのため、はっ水加工には向いていません。

まとめ

はっ水加工は雨や雪などの水だけでなく、泥汚れや油汚れからも生地を守る効果が期待できます。そのため、アウターやアウトドア衣類はもちろん、長持ちさせたい衣類にもはっ水加工はおすすめです。なお、はっ水加工はあくまでも水をはじくことが目的なので、防水加工のように水を完全に防ぐ効果はありません。しかし、繊維の通気性は確保されるため、快適な着心地を保てることが特徴です。また、はっ水加工は市販品のスプレーでも行えますが、クリーニングほどの効果は見込めません。ぜひ、クリーニングではっ水加工をお試しください。

気象庁:令和6年の梅雨入りと梅雨明け(令和6年4月19日)