洗濯物を干しやすい晴れの日が続いていますが、夏の強い日差しは人体同様に洗濯物にも日焼けを招き、色あせの原因になります。

紫外線(UV)は 太陽の光の中で最も波長の短い光で、波長によってUV-A、UV-B、UV-Cにわかれ、地表に届くのは波長のより短いUV-AとUV-Bです。

UV-Aは、肌に急激な障害を与える作用は弱いのですが、太陽から届く紫外線の約9割を占めます。UV-Bは、太陽から届く紫外線の約1割と量は少ないのですが、肌への作用が強く、短時間でも肌の炎症や、数日後に色素沈着を引き起こします。

これらの紫外線が衣類の染料にも作用し、変退色を引き起こします。

紫外線量は8月がピークで年々増加傾向

日本国内の紫外線量の変化について気象庁データを確認すると、2023年茨城県つくば市の日最大UV年間推移グラフでは、5月から増え始め、7月に増大8月にピークを迎えます。また、日積算UV-B量の年平均値は1997年には13.91kJ/m2であったものが、2023年には16.96kJ/m2となり、年々増加しています。

kJ/m2:地面1平方メートル当たりの紫外線のエネルギー量の単位

出典:気象庁 日最大UVインデックス(観測値)の年間推移グラフ

出典:気象庁 日積算UV-B量の月平均値の数値データ表

紫外線による洗濯物が変色する理由

紫外線が衣類に当たると化学反応が起こり、色素が分解されて日焼けが起こります。紫外線量が多い時期の洗濯物には特に注意が必要です。使われている色を表現する染料分子が紫外線という強いエネルギーの影響を受けて分解され、変色という作用が起きてしまうことがあります。

紫外線で色あせや劣化が起こりやすい素材と色

色あせや劣化が起こりやすい素材は、麻や綿、シルクなどの天然素材です。特に綿は摩擦に弱く、洗濯によって繊維が毛羽立って白っぽく見えることで、より色が変わって見えます。

濃色は色が抜けやすく、特に原色系赤色青色の衣類は紫外線を吸収しやすく、色あせしやすいので外干しには気を付けましょう。

日焼けを防ぐ

洗濯物を直射日光に当てないことが一番です。

乾きやすさや殺菌効果を期待して外干しをしたいというときには、裏返して干すのが効果的です。

衣類を裏返すのは面倒という方には、日陰干しがお勧めです。直射日光が当たらず、風がよく通る場所を選んで干しましょう。

メッシュ素材の洗濯物保護カバーやランドリーテントといった色あせ予防グッズも市販されています。

汗と紫外線による複合変色

紫外線単独でも変色しますが、紫外線が複合して変色することがあります。汗には、染料を分解させる成分が含まれています。この成分は、紫外線に対する染色堅牢度*を低下させる働きがあります。この為、汗が付着した状態で紫外線を受けると変色が発生します。これが、汗と紫外線による複合変色の原因です。

衣類に付いた汗を蓄積付着させないように、こまめな洗濯やクリーニングを行うことです。そして、可能な限り日光を避けることがおすすめです。

*染色堅牢度とは、染料によって染められた生地が紫外線や水などに対する色落ちや変色の強さのこと

たくさん汗をかく夏の定番 

ダブルフレッシュ洗い

「皮脂・排ガスなどの油性汚れ」「汗・食べこぼしなどの水性汚れ」をダブルですっきり落とします。ドライクリーニングだけでは落としきれない汗などの汚れを落とし、生地がスッキリサラサラ、軽い着心地に。スーツのごわつき、テカリ防止にもなります。

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